ウィズ動物病院
猫のフィラリア予防について
獣医師(院長) 高畑 香菜
2023.03.19
実は最近、ねこちゃんにもフィラリアが感染することがわかってきています。
研究結果によると、なんと室内で飼育されていても、ねこちゃんの10頭に1頭はフィラリアに感染しているとのことです。
フィラリアとは、フィラリアをもつ蚊に刺されることで感染する寄生虫です。ねこちゃんがフィラリアに感染すると…
・咳、呼吸困難
・食欲不振、体重減少、嘔吐
・疲れやすい
・失明
・痙攣
・突然死
などが症状としてみられます。
しかし、これらの症状はほかの病気でもみられるものですので、症状からフィラリアを疑うのは難しいです。
一般的にわんちゃんではフィラリア感染があるかどうかの確認として
「フィラリア抗原検査」を行います。
この検査では、血液中のフィラリア抗原を確認することで感染の有無をチェックします。
しかし、この検査はフィラリアのメスにしか反応せず、また感染したフィラリアが少数だと反応しないことがあります。
ねこちゃんの場合、フィラリアが感染していても少数の寄生が多いため、抗原検査ではわからないことも多いです。
ほかの方法として
・抗体検査…フィラリアに反応する抗体を確認する検査です。「抗体がある≠現在感染している」であり、過去に感染したことがあれば現在フィラリアがいなくなっていても陽性になることがあります。
・ミクロフィラリア検査…顕微鏡で血液を見てフィラリアの幼虫を確認する検査です。フィラリア自体が感染していても、ミクロフィラリアが確実にいるわけではないため、わんちゃんでは抗原検査が陽性だった場合に、治療法を決めるために確認することが多いです。
・エコー検査…心臓の中に寄生しているフィラリアをエコー検査で確認します。心臓以外(肺など)にいるフィラリアは見えず、ねこちゃんで症状を引き起こすのは肺などにフィラリアが感染した場合の方が多いようです。
・レントゲン検査…フィラリア感染によっておこる肺動脈の変化を確認します。フィラリア自体は見えません。
検査の方法を上にあげましたが、まとめると
ねこちゃんのフィラリア感染で精度の高い検査方法は現在ありません
しかし、たった数匹のフィラリア感染でも命にかかわる場合があるのです。
そこで、最近はわんちゃんだけでなく、ねこちゃんにもフィラリア予防を行っています。
フィラリア予防に使うお薬は月に一度首の後ろに垂らすだけです。
フィラリアだけではなくノミ・マダニもセットで予防できちゃいます。
室内飼育だから大丈夫…ではありません。
蚊の侵入を0にはできませんし、蚊に刺されるリスクが少しでもあるのなら、フィラリア感染のリスクは存在します。
10頭に1頭の室内飼育ねこちゃんがフィラリアに感染していると結果が出ているのです。
今からでも予防を始めて、フィラリア感染を防いでいきましょう。
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獣医師(院長) 高畑 香菜
獣医師(院長) 高畑 香菜
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