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愛犬のために今すぐ用意したい防災グッズとは?

愛犬のために今すぐ用意したい防災グッズとは?

 
大出 智恵美
      

いつどこで起こるかわからない災害。愛犬と飼い主さんの命を守るためにも普段からの備えが大切です。しかし「どのような防災グッズを用意すればいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「ペット災害危機管理士®特任講師」の大出智恵美先生に、今用意しておきたい防災グッズを教えていただきました。

災害に備えて用意しておきたい基本のグッズ

いきなりたくさんの防災グッズを揃えるのは大変ですよね。まずは「これだけは用意しておくと安心」というグッズをご紹介します!

水/フード

水、フードどちらも最低でも5日分、できれば7日分以上は用意しておきます。災害時はストレスから食欲不振になる可能性もあり、救援物資で支給されたペットフードを愛犬が口にしないかもしれません。そのためにも日頃から食べ慣れているフードを用意しておくことが大切です。

<日常での実践方法>
フードの保存は、日付の古いものから食べさせ新しく買い足していくローリングストック(※)という方法がおすすめ。いざというとき「賞味期限切れ」の心配もなくなります。

※ローリングストック:災害時のために備蓄している食品を定期的に消費し、食べた量だけ買い足していく方法。備蓄されている非常食を新鮮な状態で保つことができます。

ドッグフードのイラスト
 
薬のイラスト

療法食/薬

災害のストレスで、愛犬が体調を崩すことがあります。動物病院が被災したり、インターネットが使えなくなることも想定し、ストックしておきましょう。

<日常での実践方法>
療法食や薬においても水やフード同様に、一定の備蓄量を保ちながら期限切れを防ぐことができるローリングストックを取り入れてみましょう。

 

ペットシーツ

日常から使用するペットシーツは、避難生活でも愛犬の排泄に欠かせません。愛犬の身体、避難所の床などを尿で汚すことを防ぐので、避難先でも清潔に過ごすことに役立ちます。

<日常での実践方法>
避難先での排泄時に使用するほか、おもらしに備えてクレートや寝床の下に敷くことも想定し、災害発生後の72時間分のペットシーツを備えておきましょう。

犬がトイレしているイラスト
 
ペット用キャリーケースイラスト

クレート

愛犬を入れて移動するためのケース。日常では愛犬が落ち着く“ハウス”に、災害発生時はペットを守る“シェルター”になります。避難所でも愛犬が安心して過ごせるハウスとして利用可能です。サイズによってクレートは重量があるため、ソフトクレートやキャリーバッグでの代用も選択肢のひとつです。

<日常での実践方法>
クレートは旅行や通院の移動時はもちろん、お部屋のハウスとして普段から使用すると良いでしょう。避難時は、愛犬をクレートに入れたまま移動しましょう。避難所では、愛犬はクレートやケージに入ることを求められるケースがほとんど。落ち着いて過ごすためにも、日頃からクレートに慣れさせ、安心できる場所にしておくことが大切です。

 

リード2本

災害時のために、リードは2本用意。首輪とハーネスの両方にリードを付けるダブルリードという方法では、片方のリードがちぎれてしまっても犬の逃走や事故を防ぐことができます。また、興奮した犬をコントロールできなくなることがあるので、フレキシブルリード(伸縮リード)の使用は控えましょう。

<日常での実践方法>
災害時だけでなく、普段の散歩の際にもダブルリードを実践してみましょう。いざというときに素早く対応ができるように、飼い主も愛犬も普段からダブルリードに慣れておくことが大切です。

リードイラスト
犬と飼い主が携帯写真に入っているいるイラスト

スマホの写真

スマホでペットの写真を撮って保存しておきます。さまざまな角度から撮影しておくと、災害や迷子時のストレスなどで愛犬の雰囲気や表情が変わっても、特定しやすくなります。

<日常での実践方法>
写真は愛犬だけでなく、飼い主さんと一緒に撮ることがポイント。愛犬が見つかったときや再会できたときの特定に欠かせません。「この子はうちの子だ」と主張する際、周囲を納得させる決め手になります。

 

避難ジャケット

火災・ペットの負傷・暗闇での移動など、安全な場所に避難するまでに起こりうるさまざまなトラブルからペットの身を守る特別なジャケット。愛犬の負傷時にはジャケットを広げ、担架としても使用できます。施設の床などを愛犬が汚してしまったときのために、ジャケットのポケットにビニール袋やウェットティッシュを入れておきましょう。

<日常での実践方法>
避難ジャケットは小さく折りたためるので、手の届くところに保管しておきましょう。洋服タイプなので着脱は簡単。散歩のときに着用して慣れさせておくと、いざというときもあわてる心配がありません。また散歩時の災害発生にも対応できます。

犬がライフジャケットを着ているイラスト
 

あると安心な防災グッズ

他にも備えておくと安心な防災グッズをご紹介します。

IDカプセルと犬がラバーシューズを履いている姿と折り畳み式のフードボウルと犬が簡易首輪をしているイラスト

愛犬用のラバーシューズ

災害発生後、室内室外に散乱したガラス片やがれき、釘などの危険物から愛犬の肉球や脚を守ります。伸縮性がある天然ゴム製のラバーシューズなら、着脱が簡単です。

IDカプセル

飼い主さんの名前・住所・電話番号やペットの名前・ワクチン接種記録などを書き込んだメモを入れるカプセル。日常での迷子を防止する迷子札に加え、災害時の迷子に備えIDカプセルを避難ジャケットや首輪に装着しておきましょう。

簡易口輪

簡単に装着できる「かみつき防止口輪」。被災地や避難所で、獣医師の診察や治療を受ける際などに利用します。災害では、日頃おとなしい愛犬もパニックになることがあるため用意しておくと安心です。

折り畳み式フードボウル

愛犬に水やフードを与えるのに役立つのが折り畳み式フードボール。コンパクトに収納でき、広げると1枚のシート状になるので、汚れをさっと落としやすいのもメリットです。

愛犬への防災初心者の方も、スマホでの写真撮影やローリングストックなど今からできる簡単なことから始めてみてはいかがでしょうか。できることから実践し、防災への意識を高めていきましょう。

 
ペット用防災グッズ一覧

大出先生が普段の講演で使用されていている防災グッズ

 
監修者

大出 智恵美 先生

2011年の東日本大震災で、おびえるペットや、困惑するペットオーナーたちを目の当たりにする。当時の経験から「ペットを守るために、ペットオーナーに防災の知識を広めたい」という想いを抱き、一般社団法人全日本動物専門教育協会「ペット災害危機管理士®講師」と「愛玩動物救命士」資格を取得。
2016年の鳥取地震発生直後は、ペットたちの被災状況を把握するために現地まで駆け、日頃の備えの大切さやペットとの同行避難について講演。2019年の台風15号で甚大な被害を受けた千葉県のペット同伴避難所での視察経験をふまえ、現在は自治体や動物病院の獣医師やスタッフと協力し、防災グッズから日頃のしつけ、地域との交流など広く具体的な対策を中心に、全国各地で人とペット防災について講演を行っている。
また、「ペット災害危機管理士® 」取得を目指す人たちの講師、ペットフードメーカーのカウンセラーやアドバイザー、防災士、さすけなぶるファシリテーターとしても活動している。
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