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犬と車でお出かけ① 準備編「遠出や旅行を楽しむために備えよう」

犬と車でお出かけ① 準備編「遠出や旅行を楽しむために備えよう」

 
市川  崇
たかまるどうぶつ病院
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愛犬と一緒に車でお出かけして、観光地やイベントを楽しみたいと思いませんか?とはいえ慣れない外出に不安を感じる飼い主さんもいるはずです。今回はアウトドアが趣味の獣医師の市川崇先生と愛犬のナラちゃんが車でのお出かけを体験します。
お出かけするにあたって「環境が変わってもストレスは大丈夫?」「乗り物酔いをしたらどうする?」「外出先で注意することは?」などの疑問にも市川先生が回答。本企画は①準備編、②移動編、③到着編の3回に分けて、飼い主さんが愛犬と外出を楽しめるようにサポートします。

プロフィール
市川 崇 先生

市川崇先生

たかまるどうぶつ病院院長。子どものころから動物が好きで、猫を保護した経験もある。獣医師を志して酪農学園大学獣医学部獣医学科に入学後、畜産農家の祖父母の影響で大型動物(牛や馬)の獣医療にも関心をもったが、幼少期の自分を思い出して小型動物(犬や猫)の獣医師の道へ。同学卒業後は都内の動物病院に5年間勤務したのち、2007年に初代の愛犬の名前をつけた、たかまるどうぶつ病院を開院。休日には3代目の愛犬と一緒に家族でキャンプや釣りを楽しんでいる。
たかまる動物病院

目次

お出かけの前に知っておきたい、
ストレスや車酔いの対策

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散歩も苦手な愛犬でも、車でお出かけできるようになりますか?

獣医師 市川崇先生

子犬を迎えてから混合ワクチンの接種が終わるまで外に出さない間に性格形成されて、慣れない物事を怖がるようになりがちです。そこで飼い主さんが「うちの犬は外がダメなんだ」とあきらめてしまうケースが多いのではないでしょうか。お出かけを含めてさまざまな物事に臨機応変に対処できるように練習を始めたいですね。何歳からでもお出かけのストレスをやわらげることはできますが、早ければ早いほどなれやすいと思います。
生後6カ月未満の子犬なら、パピーパーティー(子犬が社会性を身につける場)に参加していろいろなことを経験させましょう。当院のように動物病院が主催するパピーパーティーであれば、混合ワクチンの接種が終わっていない子犬でも参加できます。

犬も車酔いをするのでしょうか?できるだけ負担を減らしたいのですが……

インタビューカット

獣医師 市川崇先生

犬も人間と同じように車酔いをします。揺れに耐えられなくなる自律神経系の症状ではなく、車という慣れない環境に置かれたり、動物病院などの苦手なお出かけ先を予想したりする不安症状のほうが大きいと思います。不安を感じやすい犬の場合、車の音やにおいにも反応してしまうことも少なくありません。犬用の酔い止め薬には精神安定剤の成分も含まれているので、かかりつけの獣医師に相談して処方してもらいましょう。
車酔いをするかどうかわからない場合は、車のエンジンを切った状態で犬を乗せたり、そのまま5分ほど運転したりして不安そうな様子がないか見てください。

お出かけの準備は自宅の環境づくりから始める

【犬とのお出かけに必要なグッズと選び方】

キャリーケース

キャリーケースとクレート

車内で犬を入れておくためのキャリーケースを用意。犬が自然に立ったり伏せたりでき、中で回転できる大きさを目安に選ぶ。扉を開放して中にベッドを入れて普段からハウスとして使用すると、お出かけの際にも抵抗感を減らせる。
プラスチック製のクレートは犬の視界を遮るので落ち着きやすい反面、熱がこもって暑い季節には不向き。ステンレス製のケージはバスタオルやカバーをかけることで季節に応じた温度調節がしやすく、視界を遮ることもできて使い勝手がよい。

キャリーケースとクレート

クレートは軽いがたたんでもかさばる。ケージは重いがコンパクトにたためる。一長一短があるので、下記のハウス(ソフトクレート)を合わせて複数個を使い分けるのがおすすめ。

ハウス(ソフトクレート)

ハウス(ソフトクレート)

布製のソフトクレート犬を中に入れたまま持ち運ぶことはできないが、車内やお出かけ先でパーソナルスペースを確保するハウスとして役立つ(かじったり壊したりする犬には使えない)。

ハウス(ソフトクレート)

コンパクトにたためるうえ軽量で持ち運びにも便利。犬のサイズよりも大きめを選んでおけば居住空間を確保でき、お出かけ先でサークルやテントの代わりにも使える。

散歩用のグッズ

散歩用のグッズ

いつも使っている散歩用のグッズ一式は必須。左から①鑑札や狂犬病予防注射済票は犬の首輪やハーネスに装着。②排泄物を入れる袋、③飲み水を入れるボトル(写真はうつわ付き)、④散歩バッグは両手が空くショルダーバッグやウエストバッグ、サコッシュが便利。

お出かけ用グッズ

h3お出かけ用グッズ

お出かけに使えるおもなグッズを紹介。①キャリーケースに敷くマット。汚れを拭くためのタオルも多めに用意、②排泄物を車外に取り付けられるケース、③ロングリード(周囲に人や犬がいない場所で思い切り遊ぶときに)、④1年以内の狂犬病予防注射済証と混合ワクチン接種証明書(お出かけ先によっては提示を求められる)。そのほか、持病があるなら薬、フード、トイレシート、おやつなど。

お出かけの練習は計画的な
ステップアップで成功へ

(1)室内にキャリーケースを置いてハウスにする

獣医師 市川崇先生

まずは部屋にキャリーケース(クレートやケージ)を置いてハウスにします。扉は閉まらないように固定もしくは取り外してください。ケージにはバスタオルやカバーをかけておいたほうが犬は落ち着きやすくなります。
中でフードを食べさせてキャリケースに慣れさせましょう。すでにキャリーケースや車に苦手意識がある犬でも、ストレスを軽減させることはできます。犬が自主的に中に入るようになったら、「ハウス」という指示をつければトレーニングもできて一石二鳥です。

(2)日頃から犬を
キャリーケースごと車に乗せる

犬を車に乗せる

獣医師 市川崇先生

犬が室内のキャリーケースで落ち着けるようになったら、車のカーゴスペースにキャリーケースを載せ、犬を中に入れます。エンジンをかける→5分だけ運転して移動する→近くの公園まで出かけて遊んで帰ってくる……と、少しずつ車での移動に慣れさせるとともに、お出かけに楽しい印象をもたせて不安を取り除きましょう。

最後に、市川先生から愛犬を連れて
出かける際のアドバイス

インタビューカット

犬と車でお出かけする予定がなくても練習したほうがいいですか?

獣医師 市川崇先生

犬を迎えたら一緒に何かを経験することが醍醐味で、お出かけは最も楽しい思い出になると思っています。できれば飼い始めてすぐに出かけることを前提にした関係づくりや環境づくりを意識してほしいですね。いきなり遠出や旅行にチャレンジするのはハードルが高いので、まずは近所の公園に行くことから練習しましょう。将来、動物病院に連れて行くときや災害時に避難するときにも車には慣れておいたほうが安心です。

外出先で必要なのに忘れがちなものは?

獣医師 市川崇先生

狂犬病予防注射済証や混合ワクチンの接種証明書を忘れる飼い主さんが多い気がします。旅行中に気づいた飼い主さんから電話がかかってきて「うちの犬はワクチンを打ってましたっけ?」と聞かれたことも(笑)。外出や旅行の計画を立てるときには少なくとも1週間前には接種を済ませ、必要な証明書や手続きも確認しておきましょう。僕の経験上、犬とのお出かけは予想外のことも起きるので、日用品も多めに持って行ったほうが安心ですよ。

今回は市川先生と愛犬のナラちゃんが車でお出かけする体験をレポート。「僕はアウトドアが趣味だから犬とお出かけすることは生活の一部」と笑う市川先生。飼い主さんにも愛犬とのお出かけの楽しみを実感してほしいと思い、院内で相談にも乗っているそうです。

次回は②移動編「お出かけしたときの車内での過ごし方」です。車内でキャリーケースを置く位置、休憩や水分補給のタイミングなどを市川先生が詳しく解説していきます。ナラちゃんのがんばりもぜひお楽しみに!

取材にご協力いただいた病院

 

たかまる動物病院
たかまる動物病院

神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷2-47-3

移動編はこちらからチェック
犬と車でお出かけ②移動編

神奈川県 横浜市瀬谷区
市川  崇
たかまるどうぶつ病院
0HugQ

たかまるどうぶつ病院院長。子どものころから動物が好きで、猫を保護した経験もある。獣医師を志して酪農学園大学獣医学部獣医学科に入学後、畜産農家の祖父母の影響で大型動物(牛や馬)の獣医療にも関心をもったが、幼少期の自分を思い出して小型動物(犬や猫)の獣医師の道へ。同学卒業後は都内の動物病院に5年間勤務したのち、2007年に初代の愛犬の名前をつけた、たかまるどうぶつ病院を開院。休日には3代目の愛犬と一緒に家族でキャンプや釣りを楽しんでいる。

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