「ペットのお悩み相談室」は、オーナーからの質問に獣医師が直接お答えするコーナー。毎回さまざまなオーナーゲストをお招きし、ペットとの暮らしについての心配事をお話ししていただきます。後編ではうにくんとおからちゃんとのSNS投稿を中心に、バズった投稿は獣医師の先生からはどう見えるのか?前編同様、獣医師の中村篤史先生にお聞きしました。
【前編】はこちらからチェック
"小さい“兄”と大きい“妹”の日常がSNSで大人気!体格差のある多頭飼育や犬種ごとに必要なケア、飼い主との関係づくりの秘訣は?(前編)
うにandおから
SNSアカウント: Instagram https://www.instagram.com/shiba_uni_20190107/
Youtubehttps://www.youtube.com/channel/UCyCnRz_3w--uy44zFv1dThg
中村 篤史 先生
目次
SNSでバズったうにくん&おからちゃんの、このショット!獣医師はどう見る?
雷や花火を怖がる…。克服する方法はありますか?
うには雷が苦手で震えるほど怖がるんです。テーブルの下に避難してやり過ごそうとしています。私たちも耳を塞いだりたすきをかけたりして落ち着かせようとしているのですが……。
犬は狭いスペースのほうが身を守りやすくて安心できるので、うにくんもテーブルの下に入るんだと思います。危機管理能力が高いですよね。試しにクレート(プラスチック製のハウス)を使ってみるのはどうでしょう。
うにがひとりのときは専用のケージを使っていたんですが、おからが増えてからは冷暖房付きの小部屋にベッドを置いて犬たちのスペースにしていました。ハウスにできるペット乾燥機があるのでクレート代わりに試してみます。
高齢になると花火や雷が原因でてんかん発作をおこすことがあって、ときには低気圧もきっかけになります。将来的に必ず発症するとは限りませんが、ストレスをやわらげるスペースはあったほうがよいですね。多頭飼育の場合、雷を気にしないおからちゃんのようなタイプがよりどころになると思います。
水遊びが好きなのにシャンプーが苦手
うにはお風呂場から逃げ出そうとします。すぐ終わるからちょっとくらい濡れても……って思うんですけどね。それに水遊びが好きなおからまでシャワーにしょんぼりするのが不思議です。
頭上からお湯をかけられたり、ジャーッという音がしたりするのが怖いのかもしれませんね。試しにシャワーを使うのをやめて、汚れたところだけ部分洗いで済ませたらどうでしょうか?
(1)大きめのスポンジにぬるま湯を含ませて絞りながら濡らす。
(2)泡立てたシャンプーをつけて汚れたところだけ洗う。
(3)スポンジにぬるま湯を含ませて絞りながら泡や汚れをしっかりすすぐ。
足先が濡れるのも嫌がるのですが、お風呂場ではないところでスポンジで洗うのを試してみたいと思います。
犬が大好きなガム!あげるときに注意することは?
うにがおからのガムを取ってしまうことがあるので、サイズはそこまで差をつけず、若干大き目をおからにあげています。5~10分と時間を決めて、小さくならないうちにおしまいにしていますがどうでしょうか?
ガムをあげる場合には、犬が飲み込めないサイズと硬すぎない素材を選ぶのが鉄則です。あと「おしまい」や「ちょうだい」でガムを回収できるのは素晴らしい。じつは犬が飼い主さんに取られまいとあわてて食べようとして事故が起きてしまうんです。
1つはガムを飲み込んでしまう「誤飲」。食道の途中や胃の入り口の噴門で物が詰まったら口から引っ張り出せないので、押して胃の中に落とすか、開胸して食道を切って取り出す手術をしないといけません。5?6kgの犬によく起きる事故なので、うにくんは念のため注意したほうがよいですね。
まさか詰まるなんて、怖いですね……!うには巨大なガムのほうがうれしいようですが、これからも大きさには気をつけたいと思います。
もう1つの事故は歯が折れたり割れたりする「破折(はせつ)」。硬いガムを奥歯でかんだ拍子にバキンと折れてしまい、そこから細菌が感染すると炎症が起きて膿が出るようになり、放置すれば顔に穴が空いてしまうことさえあります。
歯が少し欠けただけでも歯垢や歯石がつきやすくなります。口内環境の悪化は心臓病や腎臓病との関連性も指摘されているんですよ。たとえばヒヅメや硬すぎるガムは、普段から硬いものを食べ慣れていない犬にとってベストなおやつとは言えないかも知れません。
市販のガムにはびっくりするくらい硬いガムもあるなと思っていました。嗜好性と一緒に硬さもチェックするようにします。
うにくんとおからちゃんのお悩み相談室は、笑いと癒やしに包まれた対談になりました。「獣医師の先生にアドバイスをもらえて安心しました」と飼い主さん。逆に中村先生から「動物と暮らす素晴らしさとは?」と聞くシーンもあり、和気あいあいとした雰囲気の対談でした。次回は、どんなワンちゃん・オーナーさんが登場するのか、どうぞお楽しみに!