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犬の健康診断ってどんなもの?① 体験編「人気の黒ラブ・クロエちゃんが⾏ってみた!」

犬の健康診断ってどんなもの?① 体験編「人気の黒ラブ・クロエちゃんが⾏ってみた!」

 
金井 修一郎
むつあい動物病院
258HugQ
      

「健康診断は受けた方がいい」とわかっていても、どんなときに・どんな検査をすればいいのか迷われている方も多いのではないでしょうか。そこで気になる健康診断の中身をリアルに伝えるために、SNSで人気のラブラドールレトリバー・クロエちゃんが健康診断を体験。今回の体験編では、診断の前に知っておきたい基礎知識やポイント、検査の流れ・内容について、獣医師の金井先生のアドバイスとともにレポートします。

プロフィール

金井 修一郎 先生

博士(獣医学)、国際中医師
日本大学獣医学科卒業後、日本大学動物病院専科研修医として動物病院の内科・外科診療にあたる。2007年神奈川県藤沢市に「むつあい動物病院」を開業。病気の治療や予防から、しつけや食事の悩みなども気軽に相談できる病院をめざす。一般診療に加え、漢方薬・鍼灸などの中医学的治療も行う。幼い頃から、家に動物がいることがあたりまえの暮らしの中で、ペットが亡くなったときの悲しさ、悔しさが獣医師を志した原点。現在も犬猫の保護活動や、飼えなくなった犬を里親として迎えるなど動物愛あふれる先生です。
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取材に協力してくれた「クロエちゃん」

名前:クロエ 生年月日:2018年6月8日
性別:メス 犬種:ラブラドールレトリバー
性格:普段は優しくて甘えん坊な性格
既往歴:健康診断は、2年前に血尿が心配で血液検査を受診。かかりつけの病院では、診療の後におやつがもらえるので、病院に行くとテンションが上がるクロエちゃん。今回の健康診断も尻尾フリフリ、やる気満々です!
SNSアカウント:http://twitter.com/chloe0608wan

目次

Go To健康診断!その前に、知っておきたい基礎知識

いよいよ健康診断スタート!その前に少しだけ、健康診断の素朴な疑問を金井先生にお聞きしました。

Q.健康診断は、どんな検査内容のものを選べばいいですか?

金井先生

病院によって検査コースは異なりますが、6歳くらいまでの元気な子なら、血液検査と尿・便検査というシンプルなコースを選ぶ方が多いですね。気になる症状や持病のある子、7歳以上のシニア・高齢犬の場合、レントゲンや超音波検査など全身をくまなくチェックするコースを受けられると、より安心ですね。

Q.健康診断は何歳から、どれくらいの頻度で受けるべき?

金井先生

満1歳を目安に、年に1回は受けさせてあげましょう。犬は生後1年で人間の15歳まで成長し、その後4歳ずつ年をとります。つまり犬の「年1回」は人間で言えば4年に1度と考えると、決して多過ぎることはないですよね。

また年をとるほど病気リスクが高くなるのは、人と同じ。7~10歳のシニア期なら年2回、さらに11歳以上の高齢犬なら年3~4回、検診の頻度は年齢に応じて調整してあげましょう。

Q.健康診断前や当日にやるべきことはありますか?

金井先生

当院では、検査のため尿・便の採取をお願いしています。尿は当日のものをコットンなどに含ませて採取。保存袋などに入れて持参していただきます。便は前日のものでOK。小指の先ほどの量をアルミホイルなどで包んで持ってきてください。検査までに採取できなくても、病院で対応できるのでご安心ください。

Q.健康診断の前日や当日、ご飯やおやつはあげてもいいですか?

金井先生

検査前日の晩ごはん、当日の朝ごはんは我慢したいですね。血糖値やコレステロールなど血液検査の数値に影響が出やすいので、検査前の12時間は絶食、2時間は絶水。検診が終了すれば、診察室で食べさせても大丈夫ですよ。

いざ、診察室へ!クロエちゃんの健康診断スタートです

まずは、触診&問診で、健康チェック!

受付で問診票を記入し、いざ診察室へ。クロエちゃんの目・口・耳・首・足・肉球・肛門まで、全身くまなく触診しながら、オーナーさんに体調で気になっていることや心配なことを問診します。

左:目の充血、涙腺の様子を視診。右:歯と歯茎の状態、口の臭いから歯肉炎や歯周病をチェック。

上:目の充血、涙腺の様子を視診。下:歯と歯茎の状態、口の臭いから歯肉炎や歯周病をチェック。

耳の奥をスコープでチェック。オーナーさんも気づかない汚れが…

金井先生

普段、耳のお手入れはされていますか?

オーナー

いえ、あんまり…。耳アカも少なく、たまに拭いてもたいして汚れが付かないことが多かったので。

金井先生

奥の方に汚れが溜まっていることがあるので、念のため見てみましょう

先生がスコープで覗いてみると、かなり奥の部分に黒い耳アカが!

オーナー

汚れていないと思っていたのに。ショックです…。やっぱり綿棒などでちゃんと耳そうじしないとダメなんですか?

金井先生

綿棒などでグリグリすると鼓膜を傷つける恐れがあるので、耳に流し込む液体のクリーナーをおすすめします。液体を耳に注入し、ブルブルッと頭を振ることで汚れが外に出るため簡単で安全です。耳垢が溜まり過ぎると外耳炎、中耳炎の原因になるので、ぜひお手入れしてあげてくださいね。

顔まわりのチェックした後は、首・背中・足・肉球まで、全身を触診

「足を触ると引っ込める」など痛がる素振りがあれば関節炎の疑いあり。場合によっては、レントゲン検査を追加することも。さらに、中医学にも詳しい先生の触診で、首の付け根の左のリンパ節に小さな腫れが認められました。

オーナー

全然気がつきませんでした。何かよくない病気でしょうか…?

金井先生

熱や咳、くしゃみなど他の症状がないので、風邪や感染症の疑いはないでしょう。免疫・リンパ系の病気が原因であれば数値に表れるので、まずは血液検査の結果を見てから検討しましょう。

さあ続いては、血液検査。一瞬だけチクッと!

「むつあい動物病院」の血液検査は、全国の動物病院で広く使われている「IDEXX」の検査サービス。今回は、赤血球・白血球の数によって貧血、炎症、感染症や腫瘍性疾患などがわかるベーシックな生化学検査20項目(完全血球計算/CBC検査)に加え、すべての臓器・器官が正常に働いているかを調べる血液化学検査を追加したオプションコースで行いました。

金井先生

1歳~6歳までならベーシックな血液検査で十分かと思いますが、7歳以上の場合や疲れやすいなど心配な点がある場合、甲状腺異常や心筋症の早期発見につながるオプション項目を加えたコースをおすすめしています。

「IDEXX」の血液検査は、一般的な検査項目に、犬がかかりやすい腎臓病の早期発見につながる項目が充実。毎年の数値データがわかりやすくグラフ表示されるので、その犬にとって正常な基準値範囲をひとめで把握することができます。健康診断の血液検査の結果は、1~2日後。ただし、診断が急がれる場合は、病院内にある「IDEXX」の血液検査器で15分ほど待てば結果が得られます。

動物病院にはこんな設備も!診察や健康診断に使われる検査機器

むつあい動物病院の健康診断には、血液検査コースに超音波検査・X線検査を組み合わせたコースもあります。また血液検査コースでも、触診・問診で画像検査の必要が認められた際は、超音波検査・X線検査を行うことになります。

超音波検査(エコー)

心臓、肝臓、腎臓などの臓器の形の異常や、内臓器官に腫瘍や炎症の疑いがある場合の診断に使われます。麻酔なしで痛みを伴わず検査できます。

X線検査(レントゲン)

骨のけがや関節炎、呼吸器系の病気、誤飲誤食の可能性がある場合、また、歯の治療などの診断に必要となるレントゲン。犬の場合は、医師と看護師さんが体を押さえながら撮影します。ただ、咬んだり暴れたりする場合は、鎮静剤を使うこともあるそうです。

これで健康診断は無事終了。よく頑張ってくれたクロエちゃんでした!

健康診断を検討中のオーナーの皆さま、いかがでしたでしょうか?今回は、クロエちゃんの実際の検査をレポートしながら、犬の健康診断の中身をお伝えしました。次回は、「犬の健康診断ってどんなもの?② 解説編」!気になるクロエちゃんの検査結果を金井先生にご説明いただきます。ぜひお楽しみに!

犬の健康診断ってどんなもの?② 解説編「クロエちゃんの診断結果を聞いてみた!」

取材にご協力いただいた病院

むつあい動物病院 神奈川県藤沢市亀井野577-7

取材協力: anicas

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