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【獣医師インタビュー】病院スタッフの身体的・精神的ケアを心がけながら園田祐三先生が追求するペットと飼い主が幸せな環境とは②

【獣医師インタビュー】病院スタッフの身体的・精神的ケアを心がけながら園田祐三先生が追求するペットと飼い主が幸せな環境とは②

 
園田 祐三
      

目次

人間と動物の間で、良いエネルギーを「循環」させるために
病院スタッフの身体的・精神的な健康を維持したい。

茶トラ猫をなでる獣医師の園田 祐三 先生

先生が病院運営のキーワードとしている「循環」について教えてください。

相互補完関係として、人とペットが良いエネルギーを「循環」させるという意味で使っています。たとえば、怪我や病気がないだけではなく、心も体も満たされたペットは人間に良いエネルギーを与えてくれます。そのエネルギーは飼い主さんを癒してくれたり、リラックスさせてくれたり、人間を健やかな状態にしてくれますよね?そして、飼い主さんが健康的な状態でいられることは、そのままペットたちへ癒しやリラックス効果にもつながっていく。それが私の理想とする「循環」の在り方です。

具体的に「循環」を実現するには、どういったことが必要なのでしょうか?

動物病院は、ペットを「キュア(治療)」するところ。数年前まで私もそう考えていましたが、今は「ケア(世話)」や「ヒーリング/リラクゼーション(癒し)」についても動物病院が担っていいと考えるようになりました。まだ多くの動物病院は「キュア(治療)」に特化していますが、それでは本当の意味でペットへの「ケア」「ヒーリング/リラクゼーション」には到達できません。ですから、その起点となるペットへの「キュア」や「ケア」「ヒーリング/リラクゼーション」を高い質で提供することが重要だと考えています。

そのためには先生が掲げるもう1つのキーワード「ヘルシー(健全であること)」が関わってくるのでしょうか。

動物病院スタッフ

質の高い医療や、そこに付随するヒーリング/リラクゼーションは、獣医師・看護師・トリマーが「ヘルシー」、つまり健全な状態でなければ達成しえないと思っています。肉体的にも精神的にも、スタッフの状態が良くなければ、質の高い「キュア」や「ケア」の提供なんて不可能。動物病院だからといって動物だけにフォーカスしすぎて、スタッフへの気配りやコミュニケーションを疎かにしたら、チームとしてはアンハッピーです。
ですから、スタッフが疲弊しないようにメンタルケアを取り入れ、幹部メンバーには定期的なコーチングを行っています。自分が何をやりたいかを強く意識すると、精神面の健全度が向上するんです。また、幹部メンバー自身にも資格をとってもらい、スタッフとの1対1のコーチングやカウンセリングを実施しています。メンタルケアやコーチングはあまり他の病院ではやっていない当グループならではの特徴。その結果としてペットや飼い主さんへのホスピタリティ、救命率の高さを維持できていると思っています。

しっかりした教育制度とメンタルケアで、
離職率の低さも達成。

離職率の低さも特徴だと思うのですが、どういった取り組みが功を奏しているのでしょうか。

やはりカウンセリングなど、メンタルヘルスケアへの取り組みの影響だと思います。どれだけ能力が高い人でも、体調には波があります。命に関わる仕事は、ストレスが相当かかるんです。たとえ精神的に良い状態のときでも、ストレスで調子が悪くなるときもあります。
他の病院では、メンタルがすっかり悪くなった状態のときに初めて休ませますが、当院では、悪くなりそうになったところを見逃さずに休ませます。そのときに、1対1でカウンセリングを行って状況に応じた対応策をとります。おかげで、離職率は獣医師ではゼロです。看護師さんも結婚に伴う退社以外はほとんどいません。

獣医師の園田 祐三 先生

私が思うのは、スタッフが肉体的にも精神的にも健康でいてくれて、いろいろな巡りあわせもあって初めて一緒にいられるんです。スタッフが健康でいてくれることや一期一会の出会いに感謝しながら、スタッフにも労いや感謝の気持ちを積極的に伝えています。みんなが感謝に包まれればいいかなと思いますね。
離職率に関して、少しだけコアな話をしてもいいですか?私が行っているコーチングは、最終的に相互理解を目指しています。相手の言っていることを理解し、自分が言っていることを理解してもらう。そこに到達するには、「自己理解」が大前提。日本人はできていない人が多いですが、「自己理解」つまり自分が何をやりたいのかを明確にしておけば迷いもないですから離職にはつながらないんです。

教育制度も整えられているとお聞きしました。

教育制度としては、カウンセリングと同様に1対1での対話を定期的に行い、医療に関する技術的な悩みを聞きます。他にも1対1ではありませんが、院長が看護師チームと話し合うケースもあります。もっと仕組み化して、週に1回は必ずやることが今後の課題です。
また、専門家を招いた勉強会は日常的に行っています。この企画のバトンを渡してくれた木﨑先生のグループからも内科や皮膚科の専門家を招いていますし、9月からは循環器科の先生にも来てもらう予定です。あとは、私が理事を務める京都動物医療センターとも連携して、専門家に来てもらうこともあります。

最後に飼い主さんへメッセージをお願いします。

獣医師の園田 祐三 先生

もしも、ペットに何かあったときには、ひとりで背負わないでくださいと言いたいです。飼い主さんは、ペットが病気になると動揺してかなり視野が狭くなることが多かったりします。そうならないためにも、病気になる前からペットについて分かち合えるような仲間づくりが重要です。相性の良い獣医師さんや看護師さんを見つける努力をしてもらえると、ペットもハッピーだと思います。人と人との間でみんな生きていて、動物はその間にいます、動物は仲間です。私たちも、飼い主さんとペットのために最大限の努力を惜しみません。

動物病院47グループ動物病院47グループ ・動物病院 京都 本院 ・動物病院 京都 ねこの病院 ・動物病院 京都 ⻄京桂院 ・京都動物医療センター・行徳どうぶつ病院 ・今川どうぶつ病院

荻窪桃井どうぶつ病院・木﨑皓太先生のバトンへの回答

木崎先生木崎先生

Q1. 先生を突き動かしている1番の原動力は何でしょうか?

園田 祐三 先生園田先生

語弊を恐れずに言うと人生はすべて遊びだと思っています。私は仕事を仕事だと思わず、人生をただ生きているだけという感覚でいます。私が提唱しているのは「ワークライフインテグレーション」、つまり仕事とプライベートの融合です。それが達成されると幸せを感じるので、原動力もそのあたりにあるのかもしれません。

木崎先生木崎先生

Q2. スタッフの方にどう接していますか?どんな点に苦労されていますか?

園田 祐三 先生園田先生

私は「統率」型ではなく、「伴走」型の人間なので、スタッフを率いるというよりは一緒に走りたいタイプです。ですから、統率はせずに伴走しながら組織運営を行っています。だからなのか、幸いなことに人間関係で「苦労」と思ったこともあまりありません。

木崎先生木崎先生

Q3. 病院の代表として、また一人の獣医師としての目標をお聞かせください。

園田 祐三 先生園田先生

数字を掲げるならば300店舗が目標です。でも、それは私の理想とする世界観を広げるためのひとつの手段です。人間と動物の良いエネルギーを循環させるために、私は獣医師なので動物病院の中で、そのベースとなる人間同士の相互理解を目指していきたいです。

よつや動物病院・和田院長へのバトン

Q1. 和田先生が脳外科医を目指されたきっかけを教えてください。
Q2. 獣医師・看護師・トリマーの皆さんとのチームをどのようなチームにしていきたいとお考えですか?
Q3. 和田先生にとって「人生とは」、一体どういうものでしょうか?

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