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皮膚科認定医が教える!愛犬の“かわいいの作り方”【シャンプー・トリートメント編】

皮膚科認定医が教える!愛犬の“かわいいの作り方”【シャンプー・トリートメント編】

 
江角 真梨子
      

皮膚や被毛を清潔に保つためにも、欠かすことができない犬のシャンプー。しかし、うちの子はシャワーやドライヤーが苦手という方も多いのではないでしょうか?愛犬の“かわいいの作り方”【シャンプー・トリートメント編】では、病院併設のトリミングサロンに定期的に通うことの大切さや、ご自宅でケアする際のポイントを徹底取材。いつまでも愛犬にかわいくいてもらうためのシャンプーとの向き合い方について、日本獣医皮膚科学会認定医・江角真梨子先生にお話を伺いました。

プロフィール

江角 真梨子 先生

日本大学獣医学科卒業後、一般動物病院勤務のかたわら、東京農工大学動物医療センター皮膚科研修医として皮膚科を学ぶ。その後、日本獣医皮膚科学会認定医を取得し、各地の動物病院の皮膚科診療に従事。日本コスメティック協会認定指導医でもあり、人のスキンケアにも精通している。年間約1,000頭以上の皮膚病の動物を診察するほか、獣医師・動物看護師・グルーマー向けに学術講演やセミナーを実施。様々な犬種や年齢の皮膚バリア機能を測定・データ取得をするための機材購入・研究費をクラウドファンディングで募集するなど、「犬のための正しいスキンケア文化」確立に精力的に取り組んでいる。
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目次

まずは病院併設トリミングサロンのシャンプーを動画でチェック!

犬も清潔第一!皮膚の健康を保つためにもシャンプーは不可欠。

説明している女性

「犬は皮膚が強い」「シャンプーは不要」。そんな情報を目にすることがありますが、それらは誤りであることをまず知っていただきたいです。犬にとっても清潔さを保つことはとても大切で、人と同じように定期的なシャンプーが欠かせません。シャンプーには皮脂や汗の汚れを落とし、皮膚炎や感染症を防ぐ役割があり、皮膚に疾患のあるワンちゃんにとっては治療の一環にもなります。もちろんご自宅でシャンプーをすることも大切ですが、愛犬の皮膚や被毛の状態を知るという意味でも、ぜひ1ヶ月に1回程度は病院併設のトリミングサロンに足を運んでみてください。

江角先生が教える!プロのシャンプーのPoint

トリミングサロンは、人にとっての美容院のような場所。定期的に通うことによって、いつもよりも丁寧なケアができ、愛犬の皮膚や被毛をベストな状態に保つことができます。また、プロの目と手が加わることで、トラブルの早期発見や改善にもつながります。

①シャンプー1回目(予洗い)・すすぎ
専用の設備とプロの技で、しっかり手際よく洗う。

シャンプーをされているパピヨン

1回目のシャンプー(予洗い)は、全身をシャワーで濡らし、皮膚や被毛表面の汚れを洗い流すことが目的です。病院併設のトリミングサロンでは、ワンちゃんの皮膚の状態や嫌がるポイントに気を配り、コミュニケーションを取りながら進めてくれますから、「シャンプーが苦手」という子も少ないストレスでケアすることができます。ご自宅で行う際のポイントも含めて、一度相談してみるのも良いかもしれません。

体温測定しているパピヨン取材にご協力いただいた『ウェルネスサロンcocoe』では、初めに専用機器で皮膚のpHを測定。前回トリミングサロンに来られた際との違いやシャンプー前後の変化をオーナーさんに伝えています

江角先生が教える!プロのシャンプーのPoint

  • ●犬の個性や皮膚の状態を把握してケア。シャンプー嫌いの子も安心!
  • ●犬種や個体に合わせて、シャンプー剤やブラシを使い分け。
<おうちでケアする場合>

シャワーの温度は、犬の皮膚温度と同じ38度程度が目安。熱すぎるお湯は皮膚のバリア機能に負担がかかり、乾燥につながります。また、擦るのではなく、たっぷりの泡で優しく洗うのもポイントです。お風呂桶にシャンプー剤と少量のお湯を入れ、食器用スポンジで泡立てるとモコモコの泡が作れます。

②温浴(マイクロバブルバス)
温まりながら、バブルの力で毛穴の奥の汚れまで落とす!

マイクロバブルバスを受けるパピヨン

病院併設のトリミングサロンを利用する際には、5分から10分程度、マイクロバブルバスなどの温浴をさせてあげるのもおすすめです。マイクロバブルバスは、小さな泡の力で、毛穴の奥の汚れまでしっかり浮かせることができるため、アレルギーがあり、摩擦を控えたいワンちゃんにも優しいケアです。また、その子の状態に応じた入浴剤をプラスして、肌のターンオーバーサイクルを整えるなど、様々な効果が期待できます。
温浴は、それだけでも血行促進の効果がありますし、ワンちゃんもリラックスできますね。体が温まるとポカポカして気持ちいいのは、犬も人も一緒なんだと思います(笑)。

※肌のターンオーバー:新しい皮膚細胞がつくられ(生成)、それが上へと押し上げられて、やがて垢や古い角質として剥がれ落ちて(排出)、新しい細胞と入れ替わる仕組みのこと。

インタビューを受けている女性

江角先生が教える!プロのシャンプーのPoint

  • ●温浴で、皮膚への負担を抑えながら毛穴の奥の汚れまでスッキリ!
  • ●温浴なら、アレルギーで摩擦を控えたいというワンちゃんも安心。
  • ●入浴剤との併用で、臭いやかゆみ成分を除去。血行促進やリラックス効果も。
<おうちでケアする場合>

シャンプーが苦手という子は、サッとお湯に浸かるだけでも、ある程度は皮脂や汚れを落とすことができます。また高齢犬の場合、シャンプー自体が負担になることもありますから、トイレ後のお尻や散歩後の足など、気になる部分にはボディーシートで拭いてあげるのもおすすめ。ワンちゃんも飼い主さんも、最小限の負担で清潔さを保つことができます。

③シャンプー2回目~トリートメント
汚れを落としたら、トリートメントで潤いを補給。

シャンプーを受けているパピヨン

温浴で毛穴の奥の汚れを浮き上がらせたら、次は2回目のシャンプー。皮脂汚れなど洗い残しがないよう、全身を優しく洗い上げることが目的になります。また2度洗いで、しっかりと汚れを落とすぶん、皮脂も落ちてしまいがち。被毛の保湿やキューティクルを補修するという意味でも、シャンプー後は必ずトリートメントを行います。
ご自宅で2度洗いからトリートメントまで行うのは大変だと思いますし、長時間のシャンプーはワンちゃんの負担にもつながります。病院併設のトリミングサロンで、短時間で手際よく済ませることも、犬にとっても良いケアのひとつ。上手に活用してくださいね。

江角先生が教える!プロのトリートメントのPoint

  • ●2度洗いで、皮脂や老廃物を残さず洗い流す!
  • ●トリートメントで被毛をしっかり保湿。キューティクルも補修。
  • ●短時間で手際よく!皮膚コンディションに合わせたケア。
<おうちでケアする場合>

シャンプー剤の流し残しは、皮膚トラブルの原因になります。ぬめりを残さないよう、毛の根元からしっかりとすすいでください。また、シャンプー後は皮膚や被毛が乾燥するため、トリートメントは必ず使ってください。トリートメントはお湯で薄めてかけ流すと、全身に行き渡りやすくなりますよ。

家庭でシャンプーする際の便利アイテムリスト

ご自宅でシャンプーする場合は、犬に苦手意識をもたせないことが大切です。
以下の道具を揃えると、犬・人ともにストレスなくできると思います。参考にしてください。

  • ・ドッグバス ・滑り止めマット ・シャンプー  ・トリートメントまたは保湿剤 
    ・洗面器 ・タオル ・ブラシ ・ドライヤー

今回の愛犬の“かわいいの作り方”【シャンプー・トリートメント編】では、シャンプーやトリートメントの重要性、また病院併設のトリミングサロンでケアしてもらうメリットについてお話を伺いました。次回の【ドライング・保湿編】では、皮膚や被毛の乾燥を防ぎ、健やかな状態を保つために、プロが行っているドライングや保湿についてご紹介します。ぜひチェックしてみてください!

プロが行っているドライングや保湿についてご紹介!皮膚科認定医が教える!愛犬の“かわいいの作り方”【ドライング・保湿編】

取材協力:ウェルネスサロンcocoe 美容サロン

日本動物医療センターグループ本院内のウェルネスサロンcocoeにて、「美しく健康に長生きする」をモットーに掲げ、医療と美容のトータルサポートを展開。健康増進のためのプランと美容メニューをパッケージ・定額制で提供している。

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