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ラグドールの毛色や模様とは?特徴や飼育のコツも解説【獣医師監修】

ラグドールの毛色や模様とは?特徴や飼育のコツも解説【獣医師監修】

 
服部 幸
      

ラグドールは美しい毛並みとブルーの目、大きな体が特徴の猫です。穏やかで人懐っこい面があることから「犬のような猫」と言われることも。ラグドールを迎えるにあたって知っておきたい特徴や性格、飼い方のポイントに加え、注意したい病気を紹介します。

目次

ラグドールとはどんな猫?

    

青い目のラグドール

ラグドールは、アメリカのある女性の情熱によって誕生しました。まずはラグドールの歴史や由来を見ていきましょう。

1960年初頭にアメリカで生まれた猫

ラグドールは1960年初頭にアメリカで誕生した猫です。もともとは犬のブリーダーだったアン・ベイカーという女性が、縁あって1匹の猫と暮らすことになりました。その穏やかな性格に魅了されて大の猫好きになりますが、やがて猫は亡くなります。悲しみを埋めるべく、アンは同じ特徴を持つ猫の開発へ身を投じました。その後、「ジョセフィーヌ」という白い長毛のメス猫と、シールポイントやブラックのオス猫を交配させ、ラグドールが誕生します。

名前の由来は「ぬいぐるみ」

ラグドールとは、もともとおばあちゃんが手作りするような素朴な布製の「ぬいぐるみ」のことです。やわらかく安心できる抱き心地から、その名が付けられました。

ラグドールの魅力

    

ガッチリとした体格の2匹のラグドール

大きな体と愛らしい楕円形をしたブルーの目が印象的なラグドール。その特徴を紹介します。

がっしりとした大きな体

大きな体が特徴のラグドールは、骨太で胸元が広く、筋肉質な体格をしています。成猫になるまで3∼4年ほどかかり、ゆっくり成長するのが特徴です。成猫になるとオスで6∼9キロ、メスで4.5∼6キロ、中には10キロ前後まで成長する個体もいます。

卵形の青い目

ラグドールの目はブルーのみで、他の色はありません。卵型の大きな形をしています。青い目になる理由は、「レイリー散乱」というメカニズムによるもの。

レイリー散乱は、少量のメラニン色素が持つ虹彩が光の作用によって散乱する現象です。青い目の猫は、虹彩に含まれている色素細胞によるメラニン色素が少ないので、目が青く見えます。なお猫種に限らず、子猫は「キトンブルー」と呼ばれる灰色がかった青い目をしています。ラグドールの目はキトンブルーとは違い、生涯鮮やかな青色です。

犬のように人懐っこい性格

実際の性格は猫によってさまざまですが、一般的にラグドールは穏やかで犬のように人懐っこく、甘えん坊な性格と言われます。ラグドールを開発したアン・ベイカーが最もこだわったのは、優しく落ち着いた気質だったそうです。抱っこが好きで忍耐強く、抱かれてもおとなしくじっとしていますが、遊び好きの一面も。

ラグドールの毛色・模様の特徴

    

:3匹のラグドール

大きな体と愛らしい楕円形をしたブルーの目が特徴のラグドール。その特徴を紹介します。 ラグドールの被毛は、セミロングのダブルコートタイプ。成長するに従い、毛色や模様が変化していきます。

毛色

ラグドールの毛色はカラーバリエーションが豊富。どれも優しく明るい色味で、落ち着いた印象です。

<主な毛色>
ブラック、チョコレート(黒に近い茶色)、シナモン、レッド、ブルー、ライラック、フォーン、クリーム

模様

ラグドールの模様は大きく分けると3つあります。

・カラーポイント:顔や耳、足先などの先端部分が濃い色に。他の体部分は色が薄い
・ミテッド:四肢先が白く、足の先に手袋や靴下を履いているような模様。顔には星形の白い斑が現れる
・バイカラー:顔や胸・下腹などが白く、ポイント部分とはっきり分かれている。顔に逆V字形のような白い模様が現れる

他にもポイント部分に2色入っているトーティ、ポイント部分に縞模様が入ったリンクスポイントがあります。

ラグドールのかかりやすい病気

    

白い毛色のラグドール

    

ラグドールは肥大型心筋症、猫消化管好酸球硬化性線維増殖症という病気にかかりやすい傾向にあります。特に肥大型心筋症は命の危険がある病気にもかかわらず、完治させる治療法が見つかっていないため、定期検診による早期発見が大切です。また肥大型心筋症にかかると、動脈血栓症のリスクも高くなります。

ラグドールの飼い方ポイント

    

後ろを振り返るラグドール

    

ラグドールを飼う場合は、ストレスや病気のリスクを減らす工夫が必要です。部屋のスペースやケア方法などの飼うポイントを押さえて、過ごしやすい環境を整えましょう。

適切な食事で肥満を防ぐ

ラグドールは体が大きいので筋肉量も多く、食欲も旺盛です。そのため、肥満に気を付けなければなりません。子猫の間は体を成長させるために高タンパク質なフードを与えますが、成猫になったら高カロリー食は控えましょう。

十分に遊べるスペースを確保する

体が大きいラグドールが十分に運動できる、広い空間を確保することが大切です。広い空間の確保が難しい場合は、上下運動ができるキャットタワーや棚などを設置します。肥満予防には食事だけではなく運動も大切なので、おもちゃで遊ぶ時間をとるのもおすすめです。

1日2回ブラッシングをする

ふわふわで長い被毛を持つラグドールは、ブラッシングが欠かせません。ケアを怠ると毛玉ができてしまうため、ブラシやコームを使って朝夕1日2回丁寧にブラッシングをしましょう。毎日のコーミングに加え、2週間に1回程度の頻度でシャンプーも行ってください。

スキンシップを欠かさない

ラグドールは人懐っこく甘えん坊なので、スキンシップの時間を取ることも大切です。抱っこをするのはもちろん、ブラッシングをする時におもちゃで遊ぶなどのスキンシップをしましょう。忙しい日や疲れている日があっても、1日10分ほどでも良いので毎日欠かさないようにします。スキンシップを取ることは、ラグドールのストレス軽減にもつながります。

ラグドールはぬいぐるみのような見た目が魅力

    

窓辺にいるラグドール

    

ラグドールはぬいぐるみのような可愛らしい容姿が特徴です。抱っこが大好きなラグドールを迎えたら、スキンシップを欠かさずにたくさん遊んであげましょう。

監修者プロフィール
服部先生のプロフィール

服部 幸 先生

東京猫医療センター(東京都江東区)院長。JSFM(ねこ医学会)CFC理事。 北里大獣医学部卒。 猫ちゃんと飼い主様がともに幸せになることを目標に、病気の治療だけでなく日頃のケア、飼い方のアドバイスなど、 幅広く猫ちゃんと飼い主様のよりよい関係作りの活動を行っている。
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