フィラリア症は、最悪の場合には愛猫の命に関わることもある病気。とはいえ、普段の診察ではじっくり聞けないことも多いのではないでしょうか?「意外と聞けないフィラリア予防のQ&A」では、フィラリア予防の疑問・質問に、モフ動物病院の石森斉子先生にお答えいただきました。
石森 斉子 先生
目次
教えて!石森先生「こんなときどうすればいい?」
愛猫の体調が良くないときも薬を投与して大丈夫でしょうか?
Answer
「愛猫の体調が良くないときも薬を投与すべき?」「毎月投与して身体への影響はない?」など、猫ちゃんの健康を心配する声を多くいただきます。体調がベストでないと予防薬の投与ができないわけではありませんが、その都度、獣医師にご相談いただけたらと思います。
薬を使わない方が良いケースがあれば教えて欲しいです。
Answer
子猫や妊娠・授乳中の場合は、使用がおすすめされていない薬もあります。そうした際は、投与する薬の種類を変えながら猫の体質や特性に合わせて調整しています。いずれの場合でも、病院に来ていただき、様子を見ながら方針を決めていきますのでご安心ください。
「うっかり投薬を忘れてしまった」という場合はどうしたら良いですか?
Answer
投与のタイミングは「毎月、決まった日付」を守らないといけないわけではありません。目安として約1ヶ月と考えていただいて問題ありません。また、何ヶ月か投与を忘れてしまった際も、気づいたタイミングで再開することもできますので、慌てずに、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
フィラリア症の予防薬を投与するデメリットはありますか?
Answer
薬の成分によっては倦怠感や脱毛などアレルギー反応が出ることもあります。私たち獣医師はそうしたリスクを把握した上で予防治療を行いますが、予防薬の投与にはこういったリスクがあることを理解していただくことも大切です。 フィラリア症の予防薬はすべて、獣医師からの処方箋が必要な要指示薬に指定されています。薬の効能や投与によるリスクなどの説明を獣医師からしっかりと受け、猫に合わせた予防方法を検討してくださいね。
石森先生からのメッセージ
猫のフィラリア症は発症してしまうと突然死の危険もある病気です。「発症数が少ないから」と過信せず、できれば毎年予防を行っていただけたらと思っています。動物病院では予防に関する知識や細かなご相談にも対応ができますので、不安がある際にはお気軽にご相談くださいね。