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「幸せに天寿をまっとうしてほしい」ミキ亜生さんが獣医師に聞きたい、“一緒に暮らす仲間(猫)たち” のこと ③

「幸せに天寿をまっとうしてほしい」ミキ亜生さんが獣医師に聞きたい、“一緒に暮らす仲間(猫)たち” のこと ③

 
  • ミキ亜生
  • 中村 篤史
      

目次

家の中は危険なものがいっぱい!猫に絶対NGなもの、一粒でも、ひとかけらでもダメ?

お悩みテーマ3

猫にとって何が悪いのか再確認したい! 食べさせたらいけないもの、ありますよね?

中村先生

身の回りには、実は猫にとって危険なものがたくさんあります。たとえば、植物では百合です。百合は花びら1枚で腎臓が壊れて、猫なら10日くらいで亡くなってしまうんです。百合が入った水だけでもよくないので、絶対に持ち込まないようにしてください。
それから、ディフューザーでたくようなアロマもダメです。体についたものをなめると、味覚が刺激されて大量によだれが出たり、震えや低体温、重症化した場合には肝障害を引き起こすこともあります。

亜生さん

そうなんですね。家に持ち込むものはやっぱり注意が必要ですね。

中村先生

亜生さんは、アルファリポ酸という人間のダイエット用サプリメントなどで使われる成分をご存じですか。実は猫が好きなにおいらしいんですが、一粒食べるだけで、肝臓が壊れて亡くなることもある危険な成分です。

亜生さん

めちゃくちゃ怖いですね。僕は、猫にとって何が悪いかわからないので、においがあるものとか植物は、買うときに必ず調べるようにしています。

中村先生

とてもいいと思います。そういえば、亜生さんと最初にお会いしたのは、助六ちゃんがシチューを食べてしまったときでしたよね。

亜生さん

あのときは、めちゃくちゃ焦りました。目を離したちょっとしたすきに、リビングのテーブルに置いていたシチューを食べてたんですよ。玉ねぎ入ってるし、これはやばいと思って、中村先生のところへ連れて行った。結局は大丈夫でしたね。活性炭をもらって帰ったのを覚えています。

中村先生

誤飲などの場合は、活性炭で玉ねぎの毒の成分をぜんぶ吸着させて便に出すんですよ。玉ねぎは犬に与えるのもダメですけど、猫はその半分の量でもダメ。猫の方がより毒性が強く出ます。火を通しても玉ねぎの毒性は消えませんし、煮込んだ煮汁にも成分が出る。猫にとっての身近な危険ですよね。活性炭は、ちゃんと食べましたか?

亜生さん

大好きなおやつに混ぜたら食べてくれて、安心しました。

中村先生

よかったです。食べた量が少なければ活性炭で対応できますが、多いと、貧血が起きて、赤血球が壊れて、赤血球が壊れた成分で腎臓が壊れてしまうんです。肉じゃがもすき焼きもダメ。ネギ系はダメだと覚えておいてくださいね。

亜生さん

シチュー事件以来、猫たちがごはんに近づくと怒るようにしています。それでもごはんを狙ってきたら、水の入ったスプレーを顔にピッとかける。猫は水が嫌いなので、これは効果テキメンです。安全だし、顔もきれいになるから一石二鳥(笑)。今では、水をかけられるギリギリのラインまで近づいて、ごはんを食べる僕を見つめるようになりましたね。

中村先生

水のスプレーはいいアイデアですね! ちゃんと気をつけてくれていて安心しました。

亜生さん

それからおもちゃも「ひも状のもの」ではなるべく遊ばせないようにしています。

亜生さん

それはとても重要です! ひも状のおもちゃはとても多いんですが、誤飲すると手術になりますから気を付けた方がいいんです。それから、助六ちゃんは癲癇(てんかん)もちでもありましたね。まだ頻繁に発作を起こしますか?

亜生さんのTwitterでも人気の「兆猛くん」

引き取られてまだ間もない頃のハチワレ兄弟「兆猛くん」と「丹猛くん」

亜生さん

先生に診察していただいた後、もう一回あったんです。そのときは長くて、20分くらい治まらならなくて。発作を見てしまうと飼い主もパニックになりますよね。死んじゃうんじゃないかって。

中村先生

けいれんを起こしているときは、誰でも動転しますよね。わかります。でも、もし冷静になれるようであれば、10秒だけでもいいので発作の様子の動画を撮っておいてほしいんですよ。その中に、獣医師にとっては、すごく重要なヒントがたくさんあるんです。癲癇に限らずおかしいなと思う行動をしていたら、ぜひ動画を撮っておいてください。

亜生さん

これはいいことを聞きました! 動揺しているので、できるかどうかわかりませんが、次から動画、撮りたいと思います!

CHECK LIST

家の中の危険物

  • ●野菜:玉ねぎ、ネギ、ニラ、ニンニク
    ←赤血球を破壊する有害な成分が含まれているため、血尿や下痢、嘔吐、発熱などを引き起こすおそれがあります
  • ●お菓子:チョコレート
    ←カカオに含まれる化学物質が嘔吐、下痢、発熱、けいれんの発作を引き起こします
  • ●肉・魚:鳥の骨、生の魚介類
    ←鳥の骨は縦にさけやすく、とがった形状になるとのどや消化管を傷つけることもあります。また、生の魚介類は、体内のビタミンB1の欠乏を招き、後ろ脚の麻痺を引き起こします
  • ●果物:ぶどう(特にぶどうの皮)、干しブドウ
    ←腎不全の原因になります
  • ●香り:アロマオイル全般
    ←体についたものをなめると、大量のよだれ、震え、麻痺などを起こすおそれがあります
  • ●おもちゃ:ひも状のもの
    ←誤飲すると手術になる場合もありますので、要注意です

(環境省パンフレット「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」から一部抜粋)

猫を拾うその前に、覚悟ができているかを自問自答してほしい

中村先生

緊急時以外で猫ちゃんたちを病院に連れて行くことはありますか。

亜生さん

健康診断は半年から1年に1回、血液検査を受けに全員を動物病院に連れて行っています。僕の安心材料ですね。でも、猫たちのストレスになっているのはわかるので、「ほんまスマン! 1時間半だけ我慢してくれ」って言いながらケージに入れて車に載せます。オスたちは全員7㎏越えなので、めちゃくちゃ重いんですよ。戻ってきたら大好きなおやつをあげてご機嫌をとっています。

中村先生

亜生さんは、猫ちゃんとの距離感が絶妙ですね。大事にしつつ、かわいいからなんでも許すというわけではなく、病気のことについては客観視して判断していますし。亜生さんに拾われた猫ちゃんたちは幸せですね。 最後に、亜生さんにとって猫を保護することとはどんなことですか?

亜生さん

そうですね、助けてあげたい気持ちがあっての行動です。でも、長生きだと猫は20年くらい生きるし、拾うときは覚悟を決めないとダメだ、とも思っていますね。助六みたいに、病気がちで診療費がかさんでも、途中で投げ出すわけにはいかないですから。
たくさんの人から「自分では飼われへんのやけど……」と猫を引き取ってきましたが、拾うときには覚悟をもって拾ってほしいとも思います。拾ったなら、責任を持ってその子を幸せにしてあげないと。
まあ、どんなに尽くしても、助六なんかツンデレのデレがないですけどね。「僕がいなかったらあかんくせに、なんやねんこいつ」って文句を言いながらも、最終的にはかわいいなぁって思ってしまうんです(笑)。仲間やし、家族やから、ちゃんとしようかと。そんな感じですね。

中村先生

とても素敵な考え方ですね。

亜生さん

無理して長生きさせようとは思っていないんです。ただ、幸せに最後まで生きてほしい。せっかくうちに来たんやから、できることはしてあげてって、ほんまにそれだけです。そんなわけで先生、これからも深夜に困ったときには駆け込みますので、どうぞよろしくお願いします。

中村先生

いつでも相談に来てください! 元気が一番ですが、また助六ちゃんたちに会えるのを楽しみにしています。

ということで、その後も話は尽きる様子がなく、和気あいあいと猫ちゃんたちの健康について語り合った二人。猫ちゃんたちを仲間として迎え入れ、楽しみながら生活する亜生さんの熱い想いに中村先生は終始感心しきりの様子でした。亜生さんも日ごろのお悩みを質問できて、今後のサポート方法のヒントを得られたようです。また次回、新たなゲストを迎えてオープンする日をぜひお楽しみに!

最後に……

亜生さんの「猫を飼うときには、こんなことを確認してほしい!」

CHECK LIST

  • ●猫を飼える状況かどうかを判断する材料
    →住居条件、家庭環境、アレルギーの有無などを確認
  • ●猫を飼う覚悟があるかどうかを判断する材料
    →医療費がかかることを理解しているか
    →猫の寿命は意外と長いことを理解し、最後までお世話できるか
    →ツンデレのデレがなくても大丈夫か
    →仲間としてお世話をできる覚悟があるか
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