猫の視点で、猫の感情や習性、病気のサインを紹介する『猫ごころカルタ』。実際の猫オーナーで猫専門病院の獣医師2名、 木村奈美先生(むさし小金井キャットクリニック ねこの病院)と見並由紀子先生(横浜ねこ病院)に協力をいただき、獣医師監修の猫カルタを作成しました。
普段の診察では伝えきれない“獣医師が本当に伝えたい!”猫の気持ちをギュッと集約。くすっと笑える豆知識から、猫の健康に関わる重要な情報まで、楽しみながら猫の気持ちが理解できます。
これまでに公開しているカルタは「猫ごころカルタ特設ページ」からご覧いただけます。そして、今回の記事では『猫ごころカルタ』のら行・わ行の内容を公開!
監修獣医師
木村先生 むさし小金井キャットクリニック
ねこの病院
見並先生 横浜ねこ病院
監修獣医師
木村先生
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猫には、人が食べ物を味わうのに重要な要素である「甘味」の味覚がほとんどありません。人にも猫にも舌に味を感じる味蕾(みらい)と呼ばれる器官がありますが、この数は人が約9000個に対して猫は約500個しか存在しません。
また、「塩味」への感度も低いことがわかっています。チョコレートやラーメンなどを好む人と猫とは好物が異なりますので、あまり頻繁に人の食べ物を猫に与えないようにしましょう。
監修獣医師
木村先生
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ネコ科の中でも代表的なライオンやヒョウは、現在でもその多くが野生に生息しており、食事は少量ずつ1日20回も摂取するとも言われています。みなさんが家で飼っている猫も歴史的に見ると、つい最近までは元々野生で生活をしていました。
そのため、家猫でもエサを少量ずつ食べる習性が残っています。少しずつしか食べないのは、食欲がないわけでも体調が悪いわけでもなく、基本的には猫の本能なので、心配し過ぎず見守ってあげましょう。
監修獣医師
木村先生
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人と猫では口腔環境が異なり、猫の口腔内は虫歯菌が生息しにくい環境のため、猫は虫歯にはなりません。ただ、歯の病気がまったくないわけではありません。猫の口腔の病気で多いのが「歯周病/歯肉炎」です。
歯石の付着によって進行し、口臭がきつくなったり歯茎が腫れる、歯がグラグラするといった症状が見られます。普段からの歯磨きで予防をしたり、もし歯磨きをさせてもらえない場合は定期的に獣医師に診てもらいましょう。
監修獣医師
見並先生
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愛猫が年をとって、最近あまり走らなくなった、またはジャンプの回数が減ったなど、行動に変化はありませんか?こういった行動の変化は、老化だけが原因とは限りません。
特に、「変形性関節疾患」という猫の病気は10歳以上の約9割の猫が発症しています。この病気は「年をとったから行動が変わった」と思い込み発見が遅れ、重症に至るケースが多いので、日常の観察で違和感があれば動物病院で診察を受けてみてください。
監修獣医師
木村先生
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猫は人が自分の名前を呼んでいるのかどうか聞き分けることができます。飼育当初は聞き慣れない名前も、毎日繰り返し聞くことで音のアクセントなどから自分の名前を認識します。また、自分の名前が飼い主から呼ばれているのかどうかも区別できています。
ただ、猫は自分が呼ばれていることは理解していても、なかなか反応はしてくれません。それはそれで、愛らしい一面かもしれませんね。
監修獣医師
木村先生
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キャットフードは2種類あることを知っていますか。「総合栄養食」は、猫に必要な栄養素を効率よく摂ることができるものです。一方「一般食」と呼ばれるものは、それだけだと栄養が不足してしまうため、総合栄養食と併用することが不可欠なフードです。一般食だけを猫に与え続けることは、ジャンクフードばかりを与えているようなもの! 尿石症や腎臓病の原因となりますので、あげ過ぎには注意が必要です。
木村 奈美 先生
見並 由紀子 先生
もじゃクッキー
Twitter→@mojacookie
監修獣医師
木村先生
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猫が毛をぺろぺろと舐めるグルーミングは、毛を清潔に保ち皮膚病を防ぎ、血流を促進し健康の維持にも役立っています。また、親しい猫同士で互いの身体を舐め合うこともあり、この行動は「アログルーミング」と呼ばれています。自身では舐められない頭や首の後ろ側、耳、背中などを他の猫がグルーミングします。このアログルーミングはメス同士かオスとメス同士で行われますが、オス同士では行われないのも興味深いですね。