猫の視点で、猫の感情や習性、病気のサインを紹介する『猫ごころカルタ』。実際の猫オーナーで猫専門病院の獣医師2名、 木村奈美先生(むさし小金井キャットクリニック ねこの病院)と見並由紀子先生(横浜ねこ病院)に協力をいただき、獣医師監修の猫カルタを作成しました。
普段の診察では伝えきれない“獣医師が本当に伝えたい!”猫の気持ちをギュッと集約。くすっと笑える豆知識から、猫の健康に関わる重要な情報まで、楽しみながら猫の気持ちが理解できます。
これまでに公開しているカルタは「猫ごころカルタ特設ページ」からご覧いただけます。そして、今回の記事では『猫ごころカルタ』のな行・は行の内容を公開!
監修獣医師
木村先生 むさし小金井キャットクリニック
ねこの病院
見並先生 横浜ねこ病院
監修獣医師
木村先生
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爪研ぎは、古いサヤを落とし伸び過ぎを抑えるための役割に加え、ストレス発散やマーキング、興奮を鎮めるためなど、猫にとって欠かせない習性のひとつです。爪研ぎグッズにもいろいろな種類はありますが、猫の好みによる部分が大きく、一概にこれが良い!といったものはありません。値段の高い爪研ぎグッズを買ったのに、段ボールのほうがずっと気に入って爪研ぎをしている、なんてこともよくあります…。
監修獣医師
見並先生
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動物病院に連れて行ったときに、診察台の上に猫の足跡がくっきり…!?それ、実は猫の「汗」なのです。猫の汗腺は肉球にしかありません。緊張や恐怖を感じているときに汗をかくことがあるため、診察台の上に足跡型の汗が残ることがよくあります。肉球が湿っているときは不安のサインかもしれませんので、ゆっくり撫でるなど落ち着かせてあげるとよいでしょう。ちなみに猫の体温調節は、身体を舐めた唾液が蒸発し体温を奪う気化熱を利用しています。
監修獣医師
見並先生
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鼻水やくしゃみ、咳や目やにが出るなど、猫にも人の風邪のような症状を引き起こす「猫風邪」という病気があります。人と同じような症状ですが、決して「人用の薬を猫に飲ませても大丈夫かも」と考えてはいけません。
人にとっては安全性が高くても猫には毒性のある薬もあり、腎障害や低血圧、不整脈などを引き起こす場合もあります。もちろん、風邪薬以外の薬も必ず獣医師が処方した薬を服用ください。
監修獣医師
見並先生
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高いところに自分で登っていったけれど、降りられなくて助けを求めている…。そんな状況に遭遇したことはありませんか?まず、猫は高い場所は外敵に襲われない安全な場所なので、登ることは好みます。しかし、降りることは残念ながら苦手分野。これは、爪の形状が登ることにしか特化していないためとも言われています。降りられず困っている猫がいたら、ぜひ手助けしてあげましょう。
監修獣医師
見並先生
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猫が避妊・去勢をしたほうが良い理由のひとつは、予防できる病気があるからです。1歳半頃までに避妊ができていない場合、ホルモンの分泌により乳腺が刺激され、乳腺腫瘍になる可能性があります。
また、去勢をすることで、過剰な発情を抑え、メスに会えないことから発生するストレスやスプレー行動を減らすことができます。愛猫も飼い主も健やかに生活するために、早い段階での避妊・去勢手術という選択肢を忘れないでください。
監修獣医師
木村先生
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瞳孔は周囲の明るさによって大きさが変化します。特に猫はその変化の差が顕著に現れるので、明るい場所では細長く、暗い場所では丸い形になります。
正常であれば、猫は明るい場所に来ると瞳孔が小さくなりますが、失明状態のときは明るい場所でも瞳孔が丸い状態から戻りません。また、暗い場所で見えにくい、壁伝いに歩くなども眼の病気のサインです。気になることがあれば早めに動物病院に相談しましょう。
監修獣医師
木村先生
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日本人の中で「猫は魚が好き」というイメージが強い一方で、猫がお肉も好物であることはあまり知られていません。実際に、フードも種類によってはチキンが主な素材として使用されているものもあります。
猫はそれぞれで好き嫌いが異なるので複数のフードの種類を試しながら、一頭一頭に合った食事を探してみましょう。
監修獣医師
見並先生
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猫の耳は音を効果的に集める集音装置としての機能がありますが、気持ちを表す部位でもあります。特に耳が横にぺたんと倒れた「イカ耳」と呼ばれる状態は、不安感と攻撃性が高まっていますので、猫に触れずそっとしておきましょう。
また、耳の形以外にも、しっぽが大きくふくらんでいるとき、背中が丸まっているときは、警戒心が高い状態なので、耳と合わせて観察し愛猫の気持ちを察知してあげてください。
監修獣医師
見並先生
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いわゆる”ぽっちゃりさん”な猫が、最近人気を集めています。丸くてふわふわで可愛い、でもやっぱり健康面が心配…。ただ、近年の研究で、標準体型の猫よりも、やや太り気味の猫のほうが長生きだとわかりました。とはいえ、過度な肥満は万病のもと。適正体重は猫の種類や年齢によっても異なるので、飼い主自身で判断せず、定期的に動物病院で計測してもらうとよいでしょう。
木村 奈美 先生
見並 由紀子 先生
もじゃクッキー
Twitter→@mojacookie
監修獣医師
木村先生
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猫は季節により発情期を迎える「季節性繁殖動物」の一種。猫の場合、日照時間が14時間を超えると発情期を迎えます。
また、猫はメスだけが発情期になることを知っていましたか? オスはメスの発情に反応しソワソワし始めるのです。この時期、オスもメスも普段とは違う大きな声で鳴き出したり、トイレ以外の場所におしっこをしたり、外に脱走することも。さらに、オス同士でメスを取り合う喧嘩が起こり、怪我や病気につながることもあるので避妊・去勢手術をおすすめします。