猫の視点で、猫の感情や習性、病気のサインを紹介する『猫ごころカルタ』。実際の猫オーナーで猫専門病院の獣医師2名、 木村奈美先生(むさし小金井キャットクリニック ねこの病院)と見並由紀子先生(横浜ねこ病院)に協力をいただき、獣医師監修の猫カルタを作成しました。
普段の診察では伝えきれない“獣医師が本当に伝えたい!”猫の気持ちをギュッと集約。くすっと笑える豆知識から、猫の健康に関わる重要な情報まで、楽しみながら猫の気持ちが理解できます。
これまでに公開しているカルタは「猫ごころカルタ特設ページ」からご覧いただけます。そして、今回の記事では『猫ごころカルタ』のあ行・か行の内容を公開!
監修獣医師
木村先生 むさし小金井キャットクリニック
ねこの病院
見並先生 横浜ねこ病院
監修獣医師
木村先生
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2匹目以降の猫を新しくお家に迎えるとき、先住猫は自分の空間に新しい猫がいるだけでもストレスなので、「あの猫はいつ帰るのだろうか?」と不安になります。例えば、保護猫を一時預かりする場合も先住猫にストレスがかからない工夫が必要です。別の部屋で飼い始めたり、同じ部屋でも新しい猫はしばらくはケージで過ごしてもらい、先住猫からは見えないように毛布で隠すなど、少しずつ慣れさせてあげましょう。
監修獣医師
見並先生
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おもちゃで遊ばせたいのに、なかなか食いついてくれない…。実は、動かし方にコツがあるのです。猫は狩りのとき、獲物の動きをじっと観察しながら距離を詰めていきます。生物的な動きを真似して、いきなり動かしたり、またすぐに止まったりなどの不規則な動きに興味を示します。また、ねこじゃらしを好む子、ひもを好む子、ボールを好む子など猫の好みはさまざまなので、いろいろ試して反応を観察してみましょう!
監修獣医師
木村先生
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猫は、テレビやタブレットに映るものが実際に存在していると認識しています。そのため、時々テレビに映る人物に向かってちょんちょんとすることも。また、テレビは1秒間に30枚ほどの静止画を組み合わせてパラパラ漫画のように映像を流していますが、猫は人よりも動体視力が優れているため、人が見るよりもカクカクとした映像が猫の目には見えているのです。
監修獣医師
見並先生
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いつもは臭う猫のおしっこが臭わない、と感じたことはありませんか?実はそれ、慢性腎臓病のサインかもしれません。腎臓の機能が弱まることで、老廃物や有害物質を排泄するはたらきが低下し、薄い尿しか出せなくなるのです。慢性腎臓病は猫の老齢期での発症が多く、死亡率の高い病気のひとつです。初期段階では多飲多尿などの尿に関する変化が見られますが、進行すると、食欲不振による体重減少や嘔吐など、全身的な症状が現れるようになります。
監修獣医師
見並先生
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猫はフードがない開放的なトイレを好むと言われています。フード付は、砂が飛び散らず、臭いが部屋に充満しにくいので、飼い主にとってのメリットはありますが、臭いや湿気もこもりやすい分、猫には不快な思いをさせているかも。猫は野生の本能から、排泄中は無防備な姿を外敵にさらすことになるため、周囲に気を配れる広い場所を選ぶことが多いのです。とはいえ、フード付トイレを好む猫もいるので、愛猫の好みを探ってみるといいかもしれませんね。
監修獣医師
見並先生
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愛猫がごはんを最後まで食べなかったり、わざわざ器から落として食べたり…。それは、もしかすると「ひげ疲れ」かもしれません。猫のひげは非常に敏感なセンサーになっています。このひげが、ごはんを食べるたびに器のフチに当たると、猫はストレスを感じます。そもそも、器は人の都合によるもの。紙の上にごはんを置いたり、底の浅い器を用意してあげると猫は喜ぶかもしれません!
監修獣医師
木村先生
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猫には、すりつぶす歯はなく、噛みちぎる歯しかありません。猫は元々、狩りをして暮らしてきた肉食動物なので、肉を切り裂きやすい尖った歯を持っています。また、猫の奥歯はとても鋭いため、あまり噛まなくてもごはんを細かくすることができる形状になっています。食べているときにカリカリ音がすることがありますが、これは噛んでいるというよりは、噛むことを楽しんでいるのです。
監修獣医師
見並先生
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猫は広々としたまっさらな空間よりも、複雑に入り組んだ空間を好みます。高い場所に居場所をつくり上下運動をできるようにしてあげると、自らストレスを発散できます。また、身を隠せる狭い場所や、周囲を見渡せる場所をつくってあげると、猫はのびのびと過ごすことができます。猫のためにも、快適で健康的な環境づくりを目指しましょう!
監修獣医師
見並先生
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猫の喉から出るゴロゴロ音には種類があること、知っていますか?リラックスして気持ちよさそうにしているときのものだと考えられがちですが、実は不安や不満を感じているときにもゴロゴロすることがあり、気分を落ち着かせるために音を鳴らしていると言われています。また、意外なことに「どこから音が鳴っているのか」も詳しくは解明されていないのです!ゴロゴロしているとき、よく観察をしどんな気持ちなのか理解をしてあげましょう。
木村 奈美 先生
見並 由紀子 先生
もじゃクッキー
Twitter→@mojacookie
監修獣医師
木村先生
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人の多くは赤・青・緑の3色を認識することができますが、猫は赤を認識できないと言われています。というのは、猫には赤色を認識する必要がなかったからです。人はその昔、色の細かい違いから、果物が熟しているかどうか、野菜が腐っていないかどうかなどを判断していました。一方で猫の先祖の主食は肉。獲物を捕らえて、その場で食べるため細かな色の違いがわからずとも生活ができたのですね。